◆刑事事件

2013年2月 7日 木曜日

裁判員裁判の危機

 少し前のこと(平成24年12月4日)になりますが、70日を超える日程を経て結審した裁判員裁判から解放された裁判員が記者会見で下記のように発言したそうです。

 引用開始
■  被告が肉声を発したのは、初公判の罪状認否と最終意見陳述での「私はやっていません」のみ。40代の男性は「自分がやっていないというなら、その根拠を言ってほしかった」と振り返り、米子市の男性は「無実なら黙秘は駄目だ」と話した。■
 引用終わり

 このコメントはいただけません。裁判制度をちゃぶ台返しするような、とんでもない発言です。そして、この裁判員を担当した裁判官のレベルも貶めました。

・・さらに、普段「権力の監視」と言いながら、脳天気に記事にしてコメントをつけない新聞社にも改めて幻滅です。

 床屋や風呂屋、居酒屋で、ほろ酔い気分で庶民が語るにはやむを得ないかも知れませんが、国家権力を行使する裁判員が、「無罪推定の原則」を理解せず裁判をしているのは許されざる暴挙ですし、それを指摘できないマスコミでは「権力の監視」など出来るはずもありません。


 言うまでもなく、無罪推定の原則とは、検察側が有罪であることを合理的疑いを入れない程度に立証できなければ有罪とすることは出来ないという理念であり、憲法に明記されています。無罪の根拠など述べる必要はありません。検察が有罪の根拠を述べその存否を裁判員が判断しなければならないのです。大体、やっていないのであれば、根拠も何も自分の関係ないところで起きた事件について、何を語ればいいのでしょう?

 裁判員裁判の制度自体を揺るがすとんでもない裁判が行われたと言わざるを得ません。

http://www.nnn.co.jp/news/121205/20121205010.html

投稿者 河原誠法律事務所


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