◇特定法律問題

2013年4月21日 日曜日

立退料の相場って、難しいのです。

 最近、全く別ルートから、ほぼ同時に立退料についての質問がありました。

  一方は家主側の司法書士さんから、もうひとつは昔のクライアントさんの友達である借主側からです。双方とも立退料の相場はどれくらい?という質問でしたが、簡単に回答できる話ではありません。

 抽象的には、家主側に明け渡しを求める正当事由がない場合には、明け渡しを求められる借主さんに経済的な負担を負わせない様に金額調整をして、算出するという回答になります。
 ただ、その範囲をどこまで広げるのか絞るのかで、結構な金額の差が出来てしまいます。
 また、借主さんが事業をしているのか、個人で生活の拠点としているのかで、考慮すべき事情も変わってきます。結局、ここの事情を総合的に考慮して金額を決するとしか言えないところが申し訳ないところです。

 一般論として、立退料算出にあたって考慮される事項
・転居先を確保する費用(敷金、仲介手数料、引越業者費用、)但し、敷金は後日返ってくる金員なので考慮しないという判例もある)

 さらに事業者の借主さんの際に考慮すべき事項
・営業期間、地域に根付いているか否か
・転居期間の営業補償
・内装工事費
・移転広告費用
・無駄になる従前の住所・電話番号の入った封筒やパンフレットなどの作成費用
・一定の期間に限定するものの転居先で賃料が上がる場合には、その差額。

 また、家主側の立ち退き要請する正当事由については、ある程度の正当事由が認められば(老朽化しており大修繕が必要など)、その分、立退料の減額ファクターになり、正当事由が全くないとなると、迷惑料的な考慮が働く(立退料アップ)場合もあり、さらに事情は複雑になります。

投稿者 河原 誠 | 記事URL

2013年4月18日 木曜日

民活刑務所

 皆さんはご存じでしょうか。日本の刑務所も、一部、民間がその施設建設や運営に関わっているものもあるのです。山口県の「美祢社会復帰促進センター」や、島根県の「島根あさひ社会復帰促進センター」などで、「民活刑務所(「PFI=民間資金活用による社会資本整備」の略)」と呼ばれています。


 かような民活刑務所では、従来の刑務所よりも受刑者の教育に力を入れており、様々な取り組みが試みられています。

 職業訓練も土木関係やボイラーなどではなく、IT関連、ホームヘルパーなどの時代のニーズを捉えたものを取り入れ、治療も、カウンセリング、グループワークによる依存症治療のモデルなどを採用し、受刑者の社会復帰を念頭に置いた運営がなされています。

 例えば、「ホースプログラム」(島根あさひ社会復帰促進センター)は、受刑者に、力で従わせることが出来ない馬を扱わせることで、従来の威圧暴力による人間関係を見直させ、人間関係構築能力の向上を目指すそうです。

 かような取り組みは、是非、積極的に推し進めて頂いて、少しでも再犯者を減らしてくれることを願ってやみません。




例えば下記の施設が、民活刑務所です。

美祢社会復帰促進センター
島根あさひ社会復帰促進センター

投稿者 河原 誠 | 記事URL

2013年4月17日 水曜日

不動産トラブルと訴訟外解決

 不動産仲介業を営むにあたっては、宅地建物取引主任の資格が必要です。そのような資格を持つ者は、2団体ある保証協会に加入している者が殆どです。
 これら団体では、様々な一般消費者保護の業務を行っています。

■苦情の解決業務
        会員(宅建業者)が行った宅地建物取引について、一般消費者から財産権の利害得喪に関する苦情の申し出があったとき、当該会員業者に指導したり、協議の場を斡旋したりして、苦情の解決にあたります。
■弁済業務
        苦情の申出があった問題について、自主的な解決ができず、また会員業者の責任を協会が認定した場合、保証協会が会員に代わって一定の範囲でその損害を賠償します。

公益社団法人 不動産保証協会
公益社団法人 全国宅地建物取引業保証協会


 当職も、「いい加減な契約を仲介して夜逃げしてしまった仲介業者の案件」について、数年前、協会にクレームを持ち込んだことがあります。上記手続を経て、結果として1000万円を協会から回収したことがありました。
 夜逃げした仲介業者に対しては、訴訟を提起することも出来ません(相手の所在が判らず、また、所在が判ったにせよ支払い能力がないから)が、この「弁済業務」の手続に事件を乗せることにより、上記のとおり損害の一部を填補して貰うことが出来ました。

投稿者 河原 誠 | 記事URL

2013年4月 4日 木曜日

面会交流を拒否する同居親に対する間接強制

 先日、面会交流を拒否している同居親に対して、面会を実現しない限り、間接強制にて履行を促すことが出来るという最高裁の判断が下されました。

 事案は、"裁判所の裁判で具体的に面会交流の方法が定められた"にもかかわらず、これを無視して同居親が別居親に子どもを会わせないというものでした。
このような場合、別居親は、更に裁判所に訴えて、「同居親が面会を実現しない限り、別居親に対して、一定額の金員を支払え」と同居親に対して命じて貰うことが出来るというものです。

 今まで、面会交流を裁判所が定めても、別居親がこれを無視するとなかなか実現は難しかったのですが、この最高裁判例が出たことにより、同居親に対し大きなプレッシャーをかけることが出来ます。
そして、この判例の事案では、同居親は、面会交流を実現しない理由として「子どもが面会交流に応じないので、子どもに悪影響を及ぼす」と主張していましたが、最高裁はそのような主張を認めないという姿勢を明らかにしました。

 実務に大きな影響のある重大な決定だと思います。


 ところで、間接強制とは、債務の履行を促すために、債務者に対して、債務の履行をするまで、債務者の資力に応じて算出された一定の金額を支払う様に命ずる強制執行の一類系です。
 本件の場合は、面会させなければいけないという債務を同居親が負っているので、その面会させるという義務の不履行1回(本件の面会交流は月に1度認められていた)につき5万円の割合による金員を相手方に支払うよう命ずるというものでした。

 我々弁護士としては、具体的に面会交流の方法が定められた判決や審判、調停条項になるように、慎重に主張内容を検討しなければなりません。

    平成25年3月28日 最高裁第一小法廷決定
    間接強制に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件

投稿者 河原 誠 | 記事URL

2013年4月 3日 水曜日

中学校の先生相手に講演

 先日、高校時代の友人が教頭先生(!)を務める中学校で、先生相手の講演をしてきました。演目は、「生徒指導に活きる少年法知識」でした。

 高校生相手や、普通の大人相手の講演と違い、皆さん、思った以上に前向きに熱心に聞いていただけました。 とても、やりやすく、一方通行の講演ではなく、腰を据えた議論をしたいと思わせる熱意を感じました。やはり、受け持ちの生徒さん達をより良い方向に導きたいという思いが、受講態度に出ていたのだと思います。

 更生のための手続という少年法の理念を念頭に、たくさんの知識を吸収して頂けたかと思います。是非、非行少年達の指導に活かして頂けることを願っています。

投稿者 河原 誠 | 記事URL


住所:
〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満3-4-5
西天満ワークビル8階
受付時間:
月 ~ 金:午前9時30分~午後6時
定休日:
土曜・日曜・祝祭日

お問い合わせ 詳しくはこちら