◆刑事事件

2013年8月30日 金曜日

無理な罪名(その2)

 強盗致傷罪とは、「強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。」と規定されています(刑法240条)。
 
 法律を読むときの作法を、今回の案件に当てはめてやってみます。
 
 今回の私の依頼者が、「強盗」なのか、「人を負傷させた」のかを考えることになります。では「強盗」とは何なのか?「人を負傷させた」とは何なのか?

 「強盗」とは、脅迫や実力行使などによって他人の財物を無理矢理奪うことです。
 依頼者は、コミックスをそっと鞄に入れて店外に出ようとしたところを、警報が鳴り逃げ出したのですから、明らかに「脅迫や実力行使などによって無理矢理奪った」訳ではありません。いわゆる窃盗です。しかし、「窃盗(犯)が、財物の取り返しを防ぐため、逮捕を免れるため、または、罪証隠滅のために、暴行・脅迫をする」場合も、強盗として扱うという条文が刑法238条に規定されています。この条文にあたれば、私の依頼者も立派に「強盗」となるわけです。
 窃盗罪は、「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」と規定され(刑法235条)、有期懲役刑は、原則として1か月以上20年以下の期間が指定される(刑法12条1項)ので、最短は、1か月です。・・・強盗罪とは、短期で大きく違いますね。また、強盗致傷と認定されると法律の減軽事由を2つ重ねないと執行猶予がつけられません。なかなか執行猶予はつかない犯罪です。

 弁護人としては、出来るだけ窃盗での起訴、裁判を求めたいところなのです。

投稿者 河原誠法律事務所 | 記事URL

2013年8月26日 月曜日

無理な罪名(その1)

 8月初めに当番弁護に出動し、そのまま被疑者国選弁護人に就任した案件は、一つ間違えば面倒なことになるところでした。

 弁護士会から出動要請を受けた段階では、「窃盗」事件。被害品は、コミックス14冊。
 ところが、その日の夜(昼間は被疑者が勾留質問のため、裁判所に連れて行かれていたので)、面会した際には、罪名が「強盗致傷」になっていました。強盗致傷だと裁判員裁判となってしまいます(当方としても、色々と調べないといけないことが増えますし、各裁判員への日当など税金も投入されます)。被疑者に聞くと、"店を出て自転車で逃げようと敷地内を走っているうちに、店員さんに追いつかれタックルを受けた。バッタリ自転車ごと転けたところ、今日(事件数日後)、店員さんが骨折していたことが判明した"ということでした。

 店員さんの被害が大きいので、警察は、「強盗致傷」で勾留請求をし(勾留決定を得て)、取り調べをするということらしいです。

 これって、強盗致傷になるのでしょうか?・・・続く

投稿者 河原誠法律事務所 | 記事URL


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