財産犯

2013年10月 9日 水曜日

無理な罪名(その4)結末

 いままでのブログ「無理な罪名」で、強盗致傷で勾留された方の話を書いていましたが、無事、「窃盗」で起訴され、法廷でも傷害の事実は少しさらっと出ただけで、済みました。その結果、検察官からは窃盗の相場どおりの求刑、執行猶予付判決という一般的な事件処理がなされました。よかったです。

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2013年9月 4日 水曜日

無理な罪名(その3)

次に考えるのは、「人を負傷させた」とはどういう行動をいうのか?です。

本件の場合、事後強盗ですから、その暴行は「逮捕を免れるため」という目的を持った行動である必要があります。
 彼は、逮捕を免れるため、一所懸命に自転車を漕いでいました。これが、逮捕を免れる為の暴行といえるのでしょうか?「暴行」といえるためには、やはり、相手に向けてなされる必要があると私は考えました。例えば、逮捕を免れる為に手を振り払ったなどの場合には、怪我させるつもりが無くても、強盗致傷になります。
 しかし、本件は、逮捕を免れる為一所懸命に自転車を漕いでいる犯人に店員さんが飛びかかって一緒に転倒したというものです。
 この際に店員さんは重傷を負ってしまいましたが、犯人である彼は、店員さんが飛びかかってきた瞬間まで追いつかれていることにも気付いていなかったのです。「逃げるために自転車を漕ぐ行為」を店員さんに対する暴行といえるのか、皆さんはいかがお考えでしょう?

 私が架電して、検察官に「強盗致傷で取り調べしているが、強盗致傷で起訴するのは無理だし、もし、それで起訴すれば全面的に争うことになる」旨伝えました。もちろん、検察官もこの問題には頭を抱えておりました。電話後、後一押し、検察庁に、逮捕を免れる為の暴行はないので、強盗致傷で起訴することはできないと意見書を提出しました。

 結局、彼は、窃盗罪で起訴されました。ただ、私は本人には、「あなたが窃盗行為をしなければ、店員さんは怪我することもなかったのだ。罪名が窃盗に落ち着いたからといって、そのことが消えることはない。」と厳しく反省を迫りました。

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2013年8月30日 金曜日

無理な罪名(その2)

 強盗致傷罪とは、「強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。」と規定されています(刑法240条)。
 
 法律を読むときの作法を、今回の案件に当てはめてやってみます。
 
 今回の私の依頼者が、「強盗」なのか、「人を負傷させた」のかを考えることになります。では「強盗」とは何なのか?「人を負傷させた」とは何なのか?

 「強盗」とは、脅迫や実力行使などによって他人の財物を無理矢理奪うことです。
 依頼者は、コミックスをそっと鞄に入れて店外に出ようとしたところを、警報が鳴り逃げ出したのですから、明らかに「脅迫や実力行使などによって無理矢理奪った」訳ではありません。いわゆる窃盗です。しかし、「窃盗(犯)が、財物の取り返しを防ぐため、逮捕を免れるため、または、罪証隠滅のために、暴行・脅迫をする」場合も、強盗として扱うという条文が刑法238条に規定されています。この条文にあたれば、私の依頼者も立派に「強盗」となるわけです。
 窃盗罪は、「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」と規定され(刑法235条)、有期懲役刑は、原則として1か月以上20年以下の期間が指定される(刑法12条1項)ので、最短は、1か月です。・・・強盗罪とは、短期で大きく違いますね。また、強盗致傷と認定されると法律の減軽事由を2つ重ねないと執行猶予がつけられません。なかなか執行猶予はつかない犯罪です。

 弁護人としては、出来るだけ窃盗での起訴、裁判を求めたいところなのです。

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2013年8月26日 月曜日

無理な罪名(その1)

 8月初めに当番弁護に出動し、そのまま被疑者国選弁護人に就任した案件は、一つ間違えば面倒なことになるところでした。

 弁護士会から出動要請を受けた段階では、「窃盗」事件。被害品は、コミックス14冊。
 ところが、その日の夜(昼間は被疑者が勾留質問のため、裁判所に連れて行かれていたので)、面会した際には、罪名が「強盗致傷」になっていました。強盗致傷だと裁判員裁判となってしまいます(当方としても、色々と調べないといけないことが増えますし、各裁判員への日当など税金も投入されます)。被疑者に聞くと、"店を出て自転車で逃げようと敷地内を走っているうちに、店員さんに追いつかれタックルを受けた。バッタリ自転車ごと転けたところ、今日(事件数日後)、店員さんが骨折していたことが判明した"ということでした。

 店員さんの被害が大きいので、警察は、「強盗致傷」で勾留請求をし(勾留決定を得て)、取り調べをするということらしいです。

 これって、強盗致傷になるのでしょうか?・・・続く

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2013年7月 1日 月曜日

詐取金回収する「受け子」と引き出す「出し子」は"使い捨てのコマ"

 自ら、トカゲのしっぽになってしまうバイト感覚の若い人たち・・。もったいない。前科つきます。考えようよ。

 「クロサギ」ってまんが読んで、大人の悪い奴らがどれだけ君たちを食い物にしようと狙っているか考えてよ。

 犯罪の大元側は、仕事の中身を「集金」と称し、犯罪の匂いを極力消して勧誘しようとする。とはいえ、逮捕後に「犯罪だとは知らなかった」という言い訳が通用するほど、世の中は甘くない。 <産経の記事です。

 本当に、安易に犯罪に手を染める若い人が多い。道徳科目化の前に法律の科目化をして欲しい。

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