浪費と免責(1)

 本来、破産決定を得て、免責決定を得る(厳密には別の手続です)ためには、免責不許可事由にあたらないことが必要です。免責不許可事由の中には、「浪費、賭け事」(破産法252条1項4号)が規定してあります。但し、不許可事由があっても「裁判官が事情を考慮」して免責を認めることができるという例外が規定されています。
 その例外としての免責(裁量免責/破産法252条2項)を得ることが出来た一例です。

ギャンブルなどで、約250万円の借金を抱えた依頼者の免責

 依頼者は、まだ10代の独身のころ、不都合な現実から逃避するために、ゲームセンターやパチンコに身銭を費やすようになり、20歳を超えてからは借金をしては、旅行費用や飲食費、交際費などにも借入金をつぎ込み、結局、親に頼って完済してもらっていました。結婚の際、170万円を貯めると約束しながら40万円しか貯められず、残りをサラ金から借り入れて結婚時の資金としました。
 結婚して新しい生活が始まり、自分の自由がなくなったこと、仕事上のトラブルや、妻に秘密の借金、妻の嫌な面も見えたりしてストレスが高じ、再び、パチンコに逃避し、サラ金からの借入を徐々に増加し、相談を受けた段階では、債務総額は250万円を超えていました。

 そのような案件でも、依頼者がパチンコ依存症ではないかとまで疑い診察を受けていたこと、抗うつ剤を処方されていたこと、パチンコは申立の数か月前にはやめていたこと、依頼者の反省、家族の生活の必要などをアピールして、無事、免責を得ることが出来ました(平成23年の案件)。

                                                 
破産法252条1項4号「浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと」

破産法252条2項「裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる。」

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河原 誠Makoto Kawahara

私は、大阪市、芦屋市、西宮市、神戸市を中心に「クライアントの皆様と一緒に悩み考え、クライアントの皆様にじっくりとご説明し、結論に納得していただくためにオーダーメイドの事件処理をする」をモットーに幅広い法律問題に対応しています。
ご依頼者様の利益を第一に考え、早期解決のため尽力いたします。
どうぞよろしくお願いいたします。

所属団体
  • 大阪弁護士会 子どもの権利委員会
  • 大阪弁護士会 法律援助事業・日本司法支援センター対応委員会 委員(少年担当)
  • 大阪弁護士会 刑事弁護委員会 当番弁護士・委員会派遣事業審査担当
  • 大阪弁護士会 刑事弁護委員会 刑事弁護援助金審査担当
  • 大阪弁護士会 紛議調停委員会
  • 大阪弁護士会 市民窓口担当員
  • 社会福祉法人みおつくし福祉会 弘済のぞみ園、同みらい園 第三者委員
  • 芦屋市 市長等倫理審査会(2012年4月~2022年3月)
  • 大阪家庭裁判所 家事調停委員 (堺支部担当)
  • 法務省法制局 大阪少年鑑別所視察委員会(2021年4月~2024年3月)
経歴
  • 1986年(昭和61年) 関西大学法学部卒業
  • 1993年(平成5年) 司法試験合格
  • 1994年(平成6年) 最高裁判所司法研修所
  • 1996年(平成8年) 弁護士登録(修習48期)。木村法律事務所就職
  • 2002年(平成14年) 事務所設立

事務所概要

Office Overview

名称 河原 誠法律事務所
代表者 河原 誠(かわはら まこと)
所在地 〒530-0047 大阪市北区西天満三丁目4番5号
大栄・西天満BLD.8階
連絡先 TEL:06-6362-1171/FAX:06-6362-1172
対応時間 平日9:30~18:00(事前予約で時間外対応も可能です)
定休日 土・日・祝(事前予約で休日対応も可能です)
アクセス 地下鉄谷町線「南森町」同堺筋線「北浜」
JR「大阪天満宮」
京阪電車「北浜」「なにわ橋」
上記それぞれ徒歩10分前後です。